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怜玢
  • 執筆者の写真 ファヌムハりスわっくん

 第回 『なにせにせものハムレット䌝』

2幕2å Ž


今回登堎する人物


クロヌディアス・・・・・・・クマデン王囜囜王、ハムレットの叔父

ガヌトルヌド・・・・・・・ クマデン王囜王劃、ハムレットの母

ポロヌニアス・・・・・・・ 宰盞

オフィヌリア・・・・・・・・ ポロヌニアスの嚘

ロヌれンクランツ・・・・・・ハムレットの幌少期の友人

ギルデンスタヌン・・・ ・・・ ハムレットの幌少期の友人

貎族

森の劖粟語り手 最近、宮殿では、ハムレットの奇異きいな振る舞いが、噂になり始めおいたす。どうやら、䜜戊開始のようです。みんな応揎しおね。はおさお、おだやかな午埌のひずずき、囜王の盞談圹のポロヌニアスが、お郚屋でく぀ろいで新聞を読んでいたす。いや、居眠りしおいるのかもしれたせん。ずっおも気持ちよさそうですね。そこに、嚘のオフィヌリアが、やっおきたす。あずはご芧になっおのおたのしみ。


オフィヌリア 父䞊、ハムレット様が倧倉でございたす。

ポロヌニアス たた、オムラむスを持っおやっお来たのか。

オフィヌリア いいえ、䜕もお持ちではありたせんでした。

ポロヌニアス なんだかよく分からんが、ずにかく蚀い぀けどおり、きちんず、お断りしたんだろうな。


オフィヌリア 私が気づいたずきには、もう郚屋のなかたで入っおおられたのです。しかも、そのお姿があたりにも異様であったので、私は気持ちがすっかり動転しおしたい、身動きはおろか、䞀蚀も口をきくこずができなかったのです。


ポロヌニアス 䞀䜓、どんなご様子だったずいうのだ。

オフィヌリア ハムレット様は、手も腕も口もケチャップたみれで、真っ赀になっおおりたした。ご自分でお぀くりになられたオムラむスを、手づかみで食べおしたったかのようでした。そう、䜓じゅうが真っ赀に染たっお、たるで、そう、殺人犯のようなお姿でした。

ポロヌニアス 最近、ハムレット様のご様子が、以前にも増しおおかしくなったず、うわさには聞いおおったが、それほどたでずは思っおいなかった。それは本圓に確かなのか

オフィヌリア ええ、もちろん、間違いなくケチャップでした。血ではありたせん。このように、指ですくっお舐なめおみたすず、颚味ゆたかで深みのあるお味がいたしたす。

ポロヌニアス おい、オフィヌリア、おたえ手が真っ赀じゃないか。ケガはないのか。すぐに医者に行こう。

オフィヌリア いいえ、これはケガではないのです。ハムレット様がケチャップたみれの手で、私の手を握りしめたので、私の手たでもが、このように真っ赀に染たり、たるで殺人の共犯者のような姿になっおしたったのです。

ポロヌニアス 本圓に、ケチャップなのか。どれ、䞀口。オフィヌリアの腕からケチャップを指ですくっおなめる。うん、たしかに矎味しい。ずころで、おたえ、最近、ハムレット様に䜕か特別なこずを蚀ったりしなかったか。

オフィヌリア いいえ、お父様の蚀い぀けどおり、すべおお断りいたしたした。それ以倖には䞀切口をきいおおりたせん。

ポロヌニアス なるほど、そうか。それが原因だったのか殿䞋は、恋の病に陥おちいっおいたのだ。それもかなり重症のようだ。私ずしたこずが、おたえの健すこやかな成長を願うあたり、刀断を誀っおしたった。だが、もう心配ない。あずは、私に任せお、おたえは奥で䌑んでいなさい。すぐもどる。

オフィヌリア  仰せの通りにいたしたす。ああ、この手の色は、たるで、掗っおも、掗っおも、消し去るこずができない眪の蚌のよう。ああ、気が狂っおしたいそう。退堎

ポロヌニアス 間違いない。ハムレット様は、嚘に倱恋しおしたったず思い蟌み、オムラむスをやけ食いしおしたったのだ。思い起こせば、私にもほろ苊い思い出がある。あれは、倧孊幎の春のこず、倱恋の痛手により、マシュマロをやけ食いしおしたったのだ。なぜ、マシュマロだったのかは憶えおいないが、その埌、数日間、胞の苊しみに悩たされ぀づけたのだ。しかし、それが食べ過ぎによる胞焌けなのか、倱恋による胞の痛みなのか、圓時の私には分からなかった。いや、今でも分からない。いいや、そんなこずはどうでもいい。ああ、䜕ずいうこずだ。䞀刻も早く、囜王陛䞋にご報告しなくおはいけない。退堎

2幕3å Ž


宮殿の広間。囜王クロヌディアスず王劃ガヌトルヌドが、臣䞋からの報告を受けおいる。ポロヌニアスが息を切らしながら登堎する。


ポロヌニアス フヌ、フヌ、ぞヌ、ぞヌか、陛䞋。急いで階段を䞊っおきたので息が切れおしたした。ヘヌクシュン。陛䞋、ぜひずも、至急、お耳にいれおおかねばならぬこずがありたす。なな、なんず、぀いに、ハムレット様のご䞍調の原因が究明されたのでありたす。たさに、究極の真実が明らかになったのです。


クロヌディアス そう簡単に分かれば苊劎はないがな。たあよかろう。ずりあえず、蚀っおみろ。

ガヌトルヌド 私には、父芪の死ず、私たちの早すぎた結婚以倖には、理由がないような気がいたしたすが。

クロヌディアス ポロヌニアス、先を続けおみろ。

ポロヌニアス そもそも、この私、陛䞋のお幞せを願い、日々、粟進しおおるずころでございたすが、この床、ハムレット様のご䞍調に関したしお、党くをもっお間違いのない真実、完党無欠の事実を解明いたした次第でございたす。


クロヌディアス 前眮きはいいから、早く芁点を話しおみろ。

ポロヌニアス ハムレット様の、病やたいは䞖界じゅうのどんな名医でも治せない、人類ほが最叀の病、すなわち、恋の病、ラブの病、アモヌルの病なのでございたす。いや、これが党く、぀ける薬のない病いでありたしお、䜕ずかせねばならぬず、陛䞋にご報告にあがったずいう次第でございたす。

クロヌディアス たあ、そのような可胜性も、党くないずは蚀い切れぬが。

ポロヌニアス もし、間違っおおりたしたら、私の銖にしおいただいおも結構でございたす。


クロヌディアス え、本圓にいいのか。


ポロヌニアス いや、喩えでございたす、それほどたでに自信があるずいう意味でございたす。


クロヌディアス 冗談だ。ずりあえず、その真実ずやらを詳しくおしえおくれないか。


ポロヌニアス 週間ほど前のこずずなりたすが、我が玔真で誠実なる嚘オフィヌリアが、ハムレット様ず健党か぀公明正倧なお぀きあいをしおいるず、報告しおたいりたした。我が嚘の初恋の話を聞き、やや耇雑な心境ずなったこずは蚀うたでもありたせんが、嚘ずハムレット様ずの間には、超えがたい身分の差がありたすので、陛䞋の忠実なる家臣であるこのポロヌニアス、心を鬌にしお、嚘にハムレット様ずのお぀きあいを犁止したしだいでございたす。ずころが、ずころが、その結果、ハムレット様は粟神に䞍調をきたしおしたった、ずいう次第なのでございたす。


クロヌディアス 出来すぎた話のようにも聞こえるが。


ポロヌニアス にわかに信じるこずができないのも圓然でございたす。それを芋こしお、有胜なる家臣ポロヌニアス、ここに物的蚌拠をもっお参りたした。


クロヌディアス 蚌拠か、なるほど。それは䞀䜓䜕だ。


ポロヌニアス ハムレット様が嚘に枡した手玙でこざいたす。たあ、はっきり申しあげるなら、ラブレタヌでございたす。私が読み䞊げおさしあげたしょう。「我が矎の女神、いずしのオフィヌリア」、ああ、なんお恥ずかしい文章なんでございたしょうか。た、それはさおおき、先を続けたすず、


君の誕生日には、必ず手玙を曞くよ、オフィヌリア

誕生日でない日にも、毎日送るよ、ラブレタヌ

そしお、い぀か、結婚しようよ、オフィヌリア

ああ、あず䜕通手玙を曞いたら、結婚できるか、オフィヌリア

指折り数えお、埅っおいる  

ああ、矎しい、オフィヌリア、がくは君を愛しおいる

お昌になったら、たた手玙を曞くよ、オフィヌリア

午埌になったら、たた䌚おう。それたで、しばしの別れだ、ハムレット


クロヌディアス うヌむ。それは本圓にハムレットが曞いた手玙なのか。


ポロヌニアス 玛れもなく、そのずおりなのでございたす。このずおり、ハムレット様ご自身の肉筆でございたす。

ガヌトルヌド 確かに、筆跡はハムレットのものです。間違いありたせん。けれど、あの子の文䜓ずは、かなり違うように思われたす。䜕ずいうか、軟匱ずいうか、軜薄ずいうか、ふざけおいるような印象すらうけるのですが。


ポロヌニアス 「恋は人を詩人にする」ず、叀いにしえの詩人も申しおおるずころでございたす。恋する気持ちが匷すぎお、気恥ずかしい手玙を曞いおしたった経隓は、だれにでもあるのではないでしょうか。


ガヌトルヌド 確かに、その手玙が、本圓にハムレットが曞いたものなら、こんなにうれしいこずはありたせん。私は人の愛を党力で応揎いたしたすわ。ねえ、あなた


クロヌディアス たあ、それはそうだ。しかし、たずはこの目で確かめおみなくおは、信じるこずはできない。


ポロヌニアス この私、その点に぀きたしおも、もうすでに立掟な蚈画を立おおおりたす。ハムレット様は、ほが毎日、午埌時頃、広間の前の廊䞋を歩きながら、䜕やら考え事をされたす。ですので、その時間に合わせお、オフィヌリアをその廊䞋にいさせ、ハムレット様ずお話をさせおみようず考えおおりたす。そしお、物陰から人の䌚話を聞けば、たあ盗み聞きずはなっおしたいたすが、党おが明らかになるのではないかず存じたす。


クロヌディアス たあ、そうだな。分かった。そうしよう。進めおくれ。


貎族登堎


貎族 囜王陛䞋、報告がありたす。陛䞋の客人ず申す、怪しい身なりの者名が、城門のあたりをうろ぀いおおりたす。名前は、たしか、ロヌなにがし、ギルなにがしずか蚀っおおりたす。あたりにも、うさんくさいので、城のお堀ほりにでも攟り蟌んでやろうかずも思いたしたが、念のため、ご報告申し䞊げたす。いかに凊分いたしたしょうか。


クロヌディアス ああ、その人なら心配ない、私が呌び寄せた者たちだ。もし䞍朔だったら、颚呂に入れお、着替えをさせおから通すのだ。アルコヌル消毒を忘れるな。䜓枩もきちんず枬れよ。


貎族 分かりたした、そのようにいたしたす。退堎


ガヌトルヌド ポロヌニアスに向かっお先ほどの話が本圓なら、うれしいこずですわ。ぜひ、そうであるこずを願っおおりたす。


クロヌディアスガヌトルヌドに向かっおたあ、確かめおみるこずが先決だ。


貎族、ロヌれンクランツずギルデンスタヌン登堎

貎族 先ほどの名が参䞊いたしたした。

クロヌディアス ロずギルに向かっおよくきおくれた、ロヌれンクランツ君ずギルデンスタヌン君。どっちがどっちなのか、さっぱり分からんが、歓迎しよう。よく来おくれた。

ロヌれンクランツ お招きいただき、


ギルデンスタヌン 倧倉、光栄に存じたす。


ガヌトルヌド あなた方のこずは、むかしハムレットから聞いたこずがあるような気がしたす。幌い頃、ずおも仲良くしおくれたんですよね。


クロヌディアス そこで、君たちに、折り入っお頌みたいこずがあるのだ。最近、ハムレットの様子が暗く、皆、心配しおおるずころなのだ。我が劻、ガヌトルヌドもずおも心を痛めおおる。昔からの友ずしお、それずなく、ハムレットの心のなかを探っおほしいのだ。


ロヌれンクランツ できる限りのこずをしおみたいず思いたす。


ギルデンスタヌン 幌なじみの私どもにでしたら、ハムレット様も、きっず心を開いおくださるこずず思いたす。


クロヌディアス よろしく頌む。たしか、右偎がロヌれンクランツ君で、巊偎がギルデンスタヌン君だったかな。


ガヌトルヌド ぜひ、悩みの原因を芋぀けおくださいね。えヌず、ロヌれンスタヌンさん、ギルデンクランツさん、でしたよね。


ポロヌニアス さお、ロヌれンギルデンさんず、スタヌンクランツさん、かな。このずころハムレット様は気持ちがずおも混乱しおいたす。もしかしたら、お二人のこずが分からないかもしれないので、たずはこの私が、あなたがたをご介いたしたす。先に行っおおください。すぐに行きたす。


ロヌれンクランツずギルデンスタヌンのみ舞台に残る

ギルデンスタヌン なんだか劙な雰囲気だな。こんなに歓迎される理由はちょっず思い圓たらない。さっきのお目通りだっお、すごく適圓にホむホむっおな調子で、別におれたちじゃなくおも、ネコでも豚でもよかったような雰囲気だったじゃないか。おれたちはハムレット様ずは、子どもの頃、ちょっず友達だったにすぎない。もしかしたら、人違いかもしれない。だいたい、おれたちで良いずいうこずは、誰でも良いずいうこずなんじゃないかな。䜕か調子がよすぎる気がするんだ。今、着おいるこの服だっお、さっき叀着屋で買ったものだから、おかしいのバレバレだず思う。

ロヌれンクランツ やっず巡っおきた千茉䞀遇せんざいいちぐうのチャンスじゃないか。いいか、こんなボロ服だっお借金しおやっず買ったんじゃないか。せめおその分くらいは皌いでからじゃないず垰れんぞ。おれたちは䜕も悪いこずをしおいない。ぜんぶ向こうからの申し出なんだ。問題ないんだ。

ギルデンスタヌン おれの死んだ母ちゃんは、人生高望みしおはいかん、分盞応が䞀番だっお、い぀も蚀っおいた。悪い予感がする。ここに来る途䞭で匕いたおみくじも、街角の手盞占いも、タロット占いも、結果はみな倧凶だった。週刊誌のラッキヌ星占いの結果だけが、良かったけど、あれ党然圓たらないから、むしろ䞍安なんだ。ある日突然、宮殿から攟り出されるくらいなら良いんだけど、いきなり銖チョンパなんおこずになったら目もあおられない。


ロヌれンクランツ いいか、明日の生掻の心配もなく、暖かいベッドに寝お、矎味しいワむンを飲めるのだ。こんな幞運は、もう二床ずないだろう。気持ちがふさいでいおは、楜しいものも楜しめない。そうだろ。

ギルデンスタヌン 確かに、そうかもしれない。今日の倕飯なにかな。

ロヌれンクランツ なにがなんだかさっぱり蚳が分からんが、しばらくは豪勢にやろうじゃないか 。

森の劖粟 うヌん。あやしい人組が登堎しおきたしたね。たあ悪い連䞭じゃなさそうなんですが。ギルデンスタヌンさんの悪い予感が圓たらないずいいですけど。他方、おずうさんポロヌニアスも悪い人じゃないんですけどね。どうなるこずやら。次回もぜひ読んでくださいね。たったねヌ。

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